英国 グラモフォン ポータブル蓄音機 HMV102 1930年代

言わずと知れた
ポータブル蓄音機の名機、
イギリスのグラモフォン社製
HMV102、
1930年代の製品です。

質の良い黒のクロス貼りが
いかにも紳士的で、
蓋を閉めた状態では、
ちょっと小振りの上品な
トランクのように見えます。

施錠部を開閉してみるだけで、
すぐに全てのパーツの品質の良さを
想像できます。
実際、どのパーツに触れても
「良い物を使っているなぁ」
と実感できます。

上蓋内側にお馴染みの
『His Master's Voice』の
トレードマークが印記されていて
風格を感じます。

サウンドボックスをはじめ
全てのパーツがオリジナルで、
クロムメッキされた部分は
どこもピカピカです。

ゼンマイの巻き上げ、
オートストップ機能も
極めて良好です。

大切に保管していたHMVの
オリジナル鉄針を付けて、
レコードを再生してみました。

小さなボディからは
想像もつかないほど迫力ある、
メリハリの利いた良い音を
響かせてくれました。
さすがです。
大きな音なのに決して耳障りではなく、
どこか温かく胸の奥にしみ込みます。

一度電気信号に変換され、
トーンコントロールされた音とは
根本的に違った音と
言えるかも知れません。
肉声に近い優しさが感じられます。
これが蓄音機の醍醐味です。

もちろんSP盤で、パティ・ペイジの
『貴方は私のもの』、
『泪のワルツ』と、
ドリス・デイの『ドミノ』、
『センチメンタル・ジャーニー』
を鑑賞しました。

『貴方は私のもの』と『泪のワルツ』
は1952年発売盤です。
パティ・ペイジのピクチャーレーベル
がきれいです。
ラブソングですが、
やはりSP盤の録音のせいか
力強く歌っています。

ドリス・デイの『ドミノ』は、
1950年のアンドレ・クラヴォーの
シャンソンをカヴァーしたものです。
個人的にはビング・クロスビーの
カヴァーがドラマチックで好きです。
以前、ラッパ型蓄音機
イングランド ディスク グラフォフォン
でアップしました。
「ディスク グラフォフォン 」
でグーグル検索できます。
聴き比べてみて下さい。

『センチメンタル・ジャーニー』は
1944年の同名の映画の主題歌です。
初めての大ヒットとなりました。
まあ世代的には、
「伊代はまだ16だから・・・」
と歌った松本伊代のデビュー曲
『センチメンタル・ジャーニー』
の方が懐かしいですが・・・。
伊代はもう46になりました。

今回改めて、
HMVポータブル蓄音機の
表現力の素晴らしさに感動しました。
SP盤を再生する蓄音機としての、
まさに〝円熟〟
とも言える一つの完成形を
ここに見た気がしました。


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No title

柔らかい音で聴きやすいですね。機器もシックで落ち着いた雰囲気で、音もそんな感じのすてきな音色です。

話は変わりますが近所に「サンタの倉庫」というリサイクルショップがあるのですがニュースによると破産手続きを始めている様子。閉店してしまう前に見にいってきました。FUJI PHONEという会社?の蓄音機がありましたが…。
http://up.pandoravote.net/up4/img/panflash00044314.jpg
34800円は高い?相場がまったくわかりません。
他はすでにお持ちのVestax handy traxが二束三文でありました。keiai様が売ったのだったりして(笑)

いつもコメントありがとうございます

JackD 様
いつもコメントありがとうございます。
問い合わせのFUJI PHONEの件ですが、
私も初めて聞く名前で、どういう蓄音機か分かりません。
昭和初期、国産の蓄音機が沢山作られていましたから、
その頃の物だと思います。
私も以前実物を見ましたが、とても状態が悪く、
ジャンク品でも下のクラスだと思いました。
私が値を付けるとすれば1000円がいいところです。
34800円出せば、品質の良い整備されたサウンドボックス
(SP盤レコードを再生するピックアップ部分)が購入できます。
ちなみに状態の良いHMV102は、シェルマンという有名な専門店で
14万円で購入できます。
もう一台、同じサンタの倉庫の奥の方に、7万か8万円位の
蓄音機がありましたが、これも全く状態が悪く、しかも
サウンドボックスが付いていませんでした。
私が値を付ければ1500円というところです。
つまり、相当吹っかけているということです。
お店の人はきっと、整備された状態の良い蓄音機を
参考にして、値を付けていたのかも知れませんね。

なお、ベスタクスは今も愛用しております。
それでは、また。
プロフィール

keiai

Author:keiai
こんにちは!
ゼンマイ式の蓄音機
から、電気蓄音機、
テープレコーダー、
CD、DVDへと進化
していく時代の流れ
の中で、創り手の
情熱があふれる名機
がいくつも生まれ
ました。
そんな逸品で当時の
レコードを再生し、
その時代に想いを
はせてみたいと
思います。
ご一緒に浪漫紀行を
楽しみましょう。

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