エジソン エディフォン ボイスライター 1920年代

エジソン社の
エディフォン・ボイスライターです。

1920年代後半のものと思われます。
エジソンが商品化した
ロウ管式蓄音機は、
ベルリナーの円盤式蓄音機に
市場をほぼ独占され
衰退していきましたが、
簡易録音できるメリットは大きく、
口述筆記用の事務用機
(エディフォン)として、
ワイヤーレコーダーや
テープレコーダーが
登場するまで長く活躍していました。

このエディフォンは、
電気モーターで駆動していますが、
録音再生には電気を使わず、
手回し蓄音機と全く同じ方式で行います。

つまり、
小さなラッパ型の送話口に向かって
しゃべる(実際には怒鳴るに近い)と、
その声がジャバラの管を通り、
その先の振動板を振動させ、
さらに直結されている
ダイヤモンドの針を震わせ、
ロウ管に音溝を刻む仕組みです。

再生時は、
録音装置の右横のレバーを移動させ、
再生用のダイヤモンド針に交換します。
ロウ管式蓄音機のように、
いちいち再生用と録音用の装置を
ネジをゆるめて交換する手間が省かれ、
一つの振動板を使って
録音再生できるよう工夫されています。
みごとな職人技です。

録音の開始・終了位置が分かるように、
本体前面に横長の紙をセットし、
ボタンを押すとそこに細い
縦長の穴が開けられ
記録できるようになっていたり、
ロウ管を刻んだ時の削りカスを
清掃しやすくするため、
着脱式のトレーがロウ管の下に
付いていたり、
送話口を乗せる場所がモーターの
スイッチになっていて、
取り上げると回転が始まる仕組みに
なっているなど、
実用的な工夫が
あちこちに見られます。

電源は、
日本の交流100ボルトで動きました。
直流に切り替えるスイッチが
内部に付いていて、
電池でも作動します。
自動車のバッテリーみたいな
電池とつないで駆動しているところが、
古い記録写真に映っていました。

もちろんマニュアルなどありません。
実動するまでには
長い道のりがありましたが、
過ぎてしまえば良い思い出です。
当時の職人の気持ちになって考え、
知恵を絞りました。

ロウ管は、ブランクの物を一本入手
したのですが、度重なる実験の果て、
とうとうバラバラになってしまいました。

やむを得ず、
擦り切れたロウ管レコードの音溝を、
カッターの刃で髭を剃るように、
エディフォンで回しながら
ひたすら削り取り使用してみましたが、
まさに蚊の鳴くような音でしか
録音できません。

結局、
再度純製のディクタフォン用の
ブランクロウ管を輸入することに
なりました。
それでも決して大きな音では
録音できませんでした。
どうも、再生時に送話口を耳に当て
イヤホン代わりに使用していたようで、
逆に大きいとうるさくなり過ぎるので
しょう。

まあ、
「こんな風に使用していたんだな」と
実感できれば良しとしました。
耳を澄まして聴いていると、
少しだけロウ管の時代に
タイムスリップした気分が味わえます。

とても鑑賞という
レベルではありませんが、
エディフォンの記録映像として
アップします。
寅さんの口上を録音しました。


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さて、昨日(4月12日)発売の
『サンデー毎日』の
カラーグラビア「ONandOFF」
オーディオ青春プレイバック
(173ページ)に、
私のコレクションしている
古いオーディオ機器の一部が
掲載されました。
オーディオ専門誌ではないので、
蓄音機やレアな電蓄は
掲載されませんでしたが、
コレクションの集大成として、
とても良い記念となりました。
是非、
本屋さんでチェックしてみてください。

サンデー毎日 ONandOFF
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No title

ボイスライターっていうネーミングがすばらしいですね。しかし、ロウ管ってまだ流通してるんです?なんかそれだけでもお宝系な気が…。

サンデー毎日、何件かまわったのですが未だに見れていません。震災の増刊号はどこにでもあるんだけどなあ…。探し方が悪い??

コメントありがとうございます

コメントありがとうございます。
『サンデー毎日』喜んで送らせて頂きますので、少々お待ちを。
全国紙の掲載ということで、個人的には良い記念になりましたが、内容的には極めてシンプルな機種の紹介です。
さすがにプロの写真が美しく仕上がっていました。

エジソンのボイスライターは約2カ月格闘して作動品になりました。寅さんの口上をどうしても吹き込みたいという一心で、くじけそうになる心を奮起して取り組みました。
明けても暮れても「さあ、物の始まりが一ならば・・・」と大声で怒鳴り続け、家族からは気がふれたかと心配されるほどでした。
甲斐あって、世界的にも珍しい記録映像が完成しました。まさにアーカイブスです。
エジソンと寅さんに敬意を込めて贈りました
プロフィール

keiai

Author:keiai
こんにちは!
ゼンマイ式の蓄音機
から、電気蓄音機、
テープレコーダー、
CD、DVDへと進化
していく時代の流れ
の中で、創り手の
情熱があふれる名機
がいくつも生まれ
ました。
そんな逸品で当時の
レコードを再生し、
その時代に想いを
はせてみたいと
思います。
ご一緒に浪漫紀行を
楽しみましょう。

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